住宅資金の基礎知識



資金計画

住宅購入の資金計画については、まず次の点に注意して計画しましょう。

借入額の限度を知る
銀行や住宅金融公庫などから資金を借り入れる場合、自分の収入や住宅の価格によって借入額が決まってきます。まずは、購入したい住宅の価格をおおよそで決めておきましょう。公庫の場合、収入基準は毎月の返済額の5倍以上の月収があること。または年間返済額が収入の20%までということになります。この基準を超えそうなときは、借入額を減らすか、返済期間を延ばすなどの対策が必要です。その他に夫婦の収入合算※という方法もあります。

自己資金を確保
一般的には住宅価格の80%を借入の上限としていますので、頭金としてはその不足分である20%を自分で用意すると考えれば良いでしょう。もちろん、それ以上あればベターと言えます。

諸費用も自己資金
自己資金でまかなうものとして、各種税金、手数料、保証料、それに引越代、上棟式費用などが考えられ、現金が必要となります。建築総額の中で諸費用の占める割合は、約5〜10%とみられます。頭金と合わせて、約30%が事前に準備しておきたい自己資金ということになります。

諸費用にはこれだけある

【住宅売買契約時】
・印紙税
・仲介手数料(仲介業者がいる場合)
【ローン契約時】
・印紙税
・融資手数料
・ローン保証料
・団体信用生命保険料
・火災保険料
・地震保険料
・登録免許料
・司法書士報酬
【入居後】
・不動産取得税
・贈与税
【住宅引渡し時】
・登録免許税
・司法書士報酬
・固定資産税
・つなぎ融資
【その他】
・引越し代(アパート代も)
・上棟式費用(上棟式を行う場合)
・家具購入費

借入先
借入先については住宅金融公庫(公的融資)と銀行(民間融資)が一般的です。長期的な返済を予定しているなら金利の安い公的融資が有利のようです。

返済方法
返済方法には借入先ごとに異なり、様ざまな方法があります。「いくら借りれるか」よりも「いくらなら返していけるか」を重視し、無理のない返済計画を立ててください。

※収入合算
基本的には住宅購入者本人の収入が基準となりますが、配偶者の収入を合わせて借入限度額を増やすことも可能です。これを収入合算(銀行は所得合算)と言い、年収の半分までを合算できます。ただし、永続的な収入が見込めることが条件で、パートなどの場合は難しいようです。

住宅ローン住宅金融公庫に申し込みをして、約1ヶ月半から2ヶ月審査期間が必要です。ちなみに銀行の場合は2〜3週間ほどとなっていて、民間銀行の早さが目立ちます。

最近の民間融資の特徴として低額ローンが増えていて、なかには公庫なみの低利ローンが登場していることです。厳しかった融資基準も緩やかになるなど、市場競争原理がようやく働きだしたと考えられます。
住宅ローンの種類とそれに関わる諸費用を表にまとめてみましたので、確認しておいてください。

最近の民間融資の特徴として低額ローンが増えていて、なかには公庫なみの低利ローンが登場していることです。厳しかった融資基準も緩やかになるなど、市場競争原理がようやく働きだしたと考えられます。
住宅ローンの種類とそれに関わる諸費用を表にまとめてみましたので、確認しておいてください。




公庫融資

自分が住むための住居専用住宅であること。申込み日現在の年令が70歳未満であること。年間返済額の5倍以上の年収があること。ただし、同居する家族の収入を合わせて、5倍以上とすることが可能。建物については住宅部分の床面積が80m2以上280m2以下で、敷地面積は100m2以上が必要。そのほか性能や構造が公庫の定める基準を満たしていることも必要となる。
年金住宅融資 厚生年金保険または国民年金に通算3年以上加入している人が利用可能。申込み日現在の年令が70歳未満であること。
財形住宅融資 一般財形貯蓄、財形貯蓄、財形住宅貯蓄のうちどれかを1年以上継続し、貯蓄残高が50万円以上あること。勤務先に負担軽減措置の制度があり、それを利用できること。申込み日現在の年令が70歳未満であること。
自治体融資 各都道府県、市区町村などが独自に設けている住宅ローンで、条件は自治体によって異なる。住宅の条件は公庫を基準にしているところが多い。



銀行ローン 融資条件は各銀行によって異なるが、建築予定の住宅の担保価値や年収、返済能力によって融資限度額が決定される。
生保ローン 生命保険会社の営業所窓口などで受付けていて、銀行と同様に住宅の担保価値や年収、返済能力などによって融資の決定や融資額が決定される。


■公庫で借りる融資額 では、公庫でどのくらいまで借りることができるかというと、基本的な考え方として、融資額はまず住宅融資額(基本融資額)と特別加算額があります。融資限度額は建物の構造や床面積によって異なります。さらにプラスして割増融資額というものが加算できます。これは住宅に特別な工事を施すと融資額が割増されるというもので、高耐久仕様、省エネ仕様、バリアフリー仕様など、様ざまな仕様に対応しています。これらは基本融資と同じ金利で利用できます。
住宅融資額
(基本融資額)
公庫が定めた建築基準に適合した住宅に対して、その規模や構造などに応じて融資され、基準金利適用住宅、その他の住宅、大形住宅などがあり、それぞれに異なる金利が設定されている。
特別加算額 基本融資を受けられる人なら誰でも利用できるのが特別加算額である。最高1000万円を限度としている。金利は基本融資より高めである。
割増融資額 長期対応住宅、環境共生住宅、長期耐用住宅、省エネルギー住宅などの工事を行う場合、基本融資と同じ条件で融資を受けることができる。
債権加算額
郵貯加算額
公庫の住宅債券積立制度や郵便局の住宅積立郵便貯金預金者融資制度を利用して積立てを終了した人が利用できる。金利は基本融資と同じか、やや高めである。
土地融資額 一定の条件を満たした土地に家を建てる場合に利用できる融資額。地域区分や土地面積に応じて融資額が定められている。金利は融資を受ける住宅融資額と同じである。
土地融資利用者の特別加算額 土地融資を受けられる人なら誰でも利用できる。金利は住宅融資の特別加算額と同じで、基本融資よりもやや高めである。