総合住宅展示場ビバリーズ(びばりーず)
トッピクス  
日本経済新聞(08.3.1)より抜粋
国土交通省が29日発表した九州七県の1月の新設住宅着工戸数は前年同月比6.1%増の8800戸だった。改正建築基準法が施行された昨年6月以来、7カ月ぶりのプラス。建築確認の厳格化や行政手続きの混乱で申請が減っていたが、基準明確化などでマンションを中心に持ち直しに転じた。ただ今後も改善が続くかについては不透明とする声もある。(経済面参照)昨年6月の改正建築基準法施行で住宅着工が激減したのを受け、国交省は説明会開催やホームページでの情報提供に力を入れてきた。同省九州地方整備局は「戸建て住宅は昨年秋ごろから回復。今年に入り賃貸マンションなどが回復軌道に乗り始めた」と説明する。

 1月の着工件数を県別にみると、二ケタ以上の伸びは佐賀、熊本、鹿児島の三県。大分と宮崎の二県を加え五県がプラスで、貸家の伸びがけん引した。一方、福岡、長崎の二県はマイナス圏内。福岡県ではマンションが同約2.3倍と激増したものの、持ち家や貸家のマイナスが響いた。沖縄県は同56.7%減。

 ディックスクロキは今年に入り、大分市内のホテルなど大型開発を再開した。2月には福岡市内で8カ月ぶりに十階建て賃貸マンションの建設に着手。建築確認の遅れで着工は予定より2カ月ずれ込んだが、「工期を短縮すれば計画通り建設できそう」(石井献取締役)。

 熊本市郊外の分譲地「光の森」で戸建て需要が旺盛な熊本県。大型店舗が立地し交通の便が良いため「30歳代を中心に土地建物込みで2500万―3000万円の物件が売れている」(シアーズホームの丸本文紀社長)。工場新増設が盛んな菊陽町や大津町では賃貸中心に需要があるという。

 住設機器のTOTOは「九州は主力市場の一つ。住宅建設が活性化して機器の販売増にもつながるのでは」と期待をかける。

 ただ、住宅着工の増加は「滞っていた申請物件の認可が円滑に下りるようになったため」(大和ハウス工業鹿児島支店の下西佳典支店長)との声も聞かれ、一時的なプラスとの見方もある。供給の過剰感も指摘されており、先行きについて整備局は「今後の傾向は不透明だ」とみている。

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